レポートを続けます。
【CP2(竜神大吊橋)→CP3(釜の平)】
3:28’18”(区間106位)
竜神大吊橋から駐車場へ下るロード。
もうここで前腿へのダメージが大きい。キツい後半戦になることを覚悟します。
ここからもアップダウンが続きますが、どちらかというと下り基調。ただ川沿いのジャングル系コースで足元が濡れている部分が多く、非常によく滑る。
ここで非常事態第二弾。
大きい岩から岩へ飛び移ろうとしたその瞬間、足を滑らせて滑落。幸いにも2m程度だったのでダメージは少なかったですが、手のひらを数か所擦りむきました。このあたりも前後にほとんど人がおらず単独走だったので、自力で復帰する力を持っていないといけないのは怖いですね。
さらにこのあたりで一か所ロープが切れており、ほぼ垂直の壁を渡るのに難儀したところもありました。
そしてこの下り区間でもう前腿が限界を迎えます。下りは一歩歩くごとに激痛。体力的にはまだいけるんですが、下るのが怖い。
それでもようやくジャングルを超えてロードに出ると砂防地区エイド。
(ここが30.7kmなので、ようやく距離的に半分です。)
水分をしっかり補給し、ボトルを満タンにします。
ここはアクエリアスが無く、麦茶を頂きました。これはこれでよかった。
ここから東金砂神社へ向かうロードです。すぐに鳥居をくぐるので拍子抜けしたものの、直後に現れる『東金砂神社まで4km』の看板・・・。
なかなかな斜度の坂を登り続けます。
それでも下りよりはまだマシ。できる限り走り前のランナーを追い付け追い越せで進んでいきます。
そして遠くに私設エイドが見えてきます。
徐々に近づくとTwitterでよく見たお顔が。
鷹さんエイド!
イケメン鷹さんと初めましてをしてコーラを頂く。メチャクチャ美味い!!この後のコースも少し教えてもらい、走る元気を頂きました。
ありがとうございました!
ここからも登り坂が続き、神社まで残り1.2kmはトレイル。斜度も急になるのでパワーウォークで進む。どんだけな参道だよと毒づきながらw
ようやく東金砂神社エイドに到着。一休みし、またすぐに出発です。
まずは200段くらいの階段を登り、林道に抜けます。
ここから約10kmの林道。前半は砂利交じり、後半はアスファルトです。この時『登りはキツくて走れない、下りは痛くて走れない』という完全に負のスパイラルに陥ってしまっていました。
そして2kmくらい進んだところで自問自答。
お前なにしに来たの?
トレイルランをしに来たんじゃないの?
ここで走らないでいつ走るの?
そうだ。どうせ後半の山ではまた走れなくなる。
だったらいま行っとくしかないだろ!
ようやく覚悟を決めて走り始めます。
ペースはキロ6からキロ7程度だったけど、とにかく走る。前にいたランナーを5人くらい追い抜くとそこからは単独走。下りでも走り方を変えながら走ると少しは痛みが軽減する。急登以外は走り切った。
そして林道が終わるとまたトレイルへ。でもここからは割と緩やかな下りのシングルトラック。気持ちよく駆け下りつつもやっぱり下りが続くと前腿が痛い。ノーダメージの時に走りたいコースだった・・・。
それでも頑張って下り切り、ロードに出るとCP3の釜の平へ到着。
脚のダメージはかなり溜まってきていたけど、ここまで来たら最後まで行くしかない。もう当初の目標であった10時間はおろか11時間も切れないだろうけど、目標を完走に切り替えてスタートします。
【CP3(釜の平)→CP4(持方)】
0:54’59”(区間140位)
CPを出ると早速急な山登り。高崎山です。相変わらず厳しいコースが続く。今まで登りは何とかなってきたものの、ここまでくると数m登るごとに少し休むの繰り返しになります。それでも登るスピード自体は落ちていないので、なんとか前の選手に追いつくことを目標に進みます。
が、下りが本当にしんどい。この区間は走れるゾーンもあったけど、一歩一歩悶絶。急な下りがあるときには尻餅を着きながら降りることも。さっき追い抜いたであろうランナーにどんどん追い抜かれていきます。
そしてここで非常事態第3弾。
フラットなシングルトラックを走っているにもかかわらず、脚がイメージよりも上がらなかったのか見事正面にダイブ。同時に脚も激しく攣る。他のランナーの邪魔にならないようにコース脇に移動し、脚を伸ばし何とか復帰。もう体中ボロボロです。
更なるダメージを負いながらもCP4の持方へ到着。ここへ入るときにライトの点灯チェックを受けました。もう15時は過ぎているんだなと思いエイドへ入ります。
これが最後のチェックポイント。次はゴール。進むしかない。
【CP4(持方)→ゴール】
1:56’32”(区間149位)
本当の地獄はここからでした。
コースマップを見るとほぼほぼ下り基調。
違う。全く違う。まだまだアップダウンが続きます。
実はスタート直後に通っているところを戻るコースです。
でも正直コースが長すぎてあまり覚えていなかった。
まずは白木山の暴力的な登り。
果てしない登り。
それでも歩を進め、ようやく登り切ったかと思うと続くのは果てしない下り。
一歩進むごとに激しい脚の痛み。
でも進まなければ終わらない。絶望しながらも下っていきます。
ようやく下り切ると今度は月居山。
追い越されたランナーさんに「これがラスボス、頑張りましょう!」とアドバイスをもらう。
もはや身体も心もズタズタ。
でもあと一山。これを越えればゴール。
休み休み何とか登る。
陽が落ちてきているのがわかる。明るいうちにゴールしたい。
なんとか登り続けると頂上の碑。
もう登りはない。あとは下るだけ。でもその下りがキツい。
中腹まで下るとようやく走れるシングルトラック。
これが最後と思い激痛に耐えながら走る。
また転ぶ。また脚が攣る。それでもまた走り出す。
ついに山を下り切る。
ロードに出て少し走ると応援の方や完走したランナーが現れ、声をかけてくれる。
最後のコーナーを左に曲がるとゴールゲート。
涙が出てくる。
ついに、ついにゴール!
ゴールタイム:11:50’33”
奥久慈トレイルレース50K、
ついにフィニッシャーになることができました。